山村の子供たちのための革新的な建築：「Hi Ladders High」

一歩踏み出す勇気を育む、子供たち自身が設計・建設するパビリオン

「Hi Ladders High」は、中国の湖北省羅田県の唐河小学校で2018年の夏に始まった非営利のプロジェクトです。One Take Architectsと大学のボランティア、そして「残された子供たち」が一緒になってこのパビリオンを設計・建設しました。プロの建築訓練を受けていない子供たちでも、設計と建設の全過程に参加できるという、これまでにない試みが行われました。

このプロジェクトの特徴的な部分は、その設計と建設材料にあります。20本の独立した木製のはしごを使用しており、これは中国の農村地域で最も一般的で手に入りやすい道具の一つです。それぞれのはしごは完全に独立した安定した構造を持ち、傾斜角度が高く調整可能なため、空間の組み合わせの可能性を広げています。

また、「Hi Ladders High」は、カーニバルやキャンプの閉会式などのイベントが行われる場として、子供たちと建築家が共同で作り上げた三幕の空間劇の舞台となりました。子供たちは、構造物で遊ぶだけでなく、自分たちの創造力を通じてそれに変化を加えることで、「Hi Ladders High」に関わることができました。

このプロジェクトは、子供たちが自分たちの手で設計・建設することで、彼らに新たな視点を提供し、将来の選択肢を広げることを目指しています。建築を媒体として、子供たちが成長する手助けをし、工場で働くことだけが未来の選択肢ではないことを示すことを目指しています。

このプロジェクトは、2020年にA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザイン賞のブロンズを受賞しました。この賞は、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にする優れたデザインに授与されます。