このプロジェクトのインスピレーションは、中国の唐の時代から。その対称的な空間構成は、中心に立つと音響効果を生む。音楽と、その音の流れる波を、波打つ天井と堅固な木製のベンチ、カウンターで表現している。ピアノの鍵盤を模した窓からは、庭園の風景が見え、重厚な木材と軽やかな石の仕上げが、都市の喧騒の中での静けさを際立たせている。
このロビープロジェクトの特徴は、床から天井までの高さが10フィートの二重扉で、編み込みの真鍮、木目の銅板、ミラー、クリアガラスの非対称なパネルが特徴的だ。床から天井までのガラス壁は、長さが異なる鉄のスラットが特徴で、都市の庭園を見渡せる。暗いチーク材が、明暗のマーブルの床と壁を引き立て、大きな木製の座席エリアと、波打つような暗い木製の天井が、大きな真鍮のパイプペンダントライトと共に空間を演出している。
このデザインは、真鍮、木目の銅板、焦げ茶色のミラー、クリアガラスで編み込まれたカスタムメイドの10フィートのエントリードアを特徴とする。内部には、自然な木材、削り出された花崗岩、大理石、金属、チークの突板など、落ち着いた素材が使用されている。床から天井までの窓には、木目の鍛鉄の板が異なる高さで配置され、都市風景を遮りながら庭園を見渡せるようになっている。暖かく、曲線を描く木製の天井は現場で成形され、中央の真鍮の管状のペンダントライトがオルガンのパイプを思わせる。
このロビーは、内部空間が82.5m2で、ガードのデスク、エレベーターアクセス、個人用のメールボックス、共有の居住エリアへのアクセスが可能な螺旋階段が配置されている。素材の選択は、クライアントの要望に基づいて行われ、堅固で長持ちする建築を反映する要素、つまり、堅固な木材、真鍮、青銅、荒く削り出された花崗岩、大理石が選ばれた。伝統的な建築材料と構造についての研究が選択を導き、音楽のテーマを全体に反映するために、管状の真鍮のペンダントライトや他の流れるラインが使用された。
このプロジェクトで最も困難だったのは、現場で曲線を描く木製の天井を形成することだった。デザインの精巧さから、木材を現場で曲げる必要があった。同様に、重いフロントドアも、その大きさから現場で建設された。このロビー空間は、音楽のイメージと暖かい木材、花崗岩、石、真鍮の結婚を通じてインスピレーションを得ている。波打つ流れるラインと移り変わる自然光が、特注のエントリードアと床から天井までの窓、庭園へのアクセスを際立たせている。美しい石の床と、錆びた斑点の花崗岩の壁の削り出された表面は、頑丈で堅固な建築を示しながら、永遠の美しさを感じさせる。さまざまな素材が透明性とプライバシー、見ることと見られることの間を流れ、それでも家のように感じられる。
このデザインは、2020年にA' Interior Space, Retail and Exhibition Design Awardで鉄賞を受賞した。鉄賞は、プロフェッショナルで産業的な要件を満たす、よく設計された実用的で革新的な創造物に授与される。業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することを評価されている。
プロジェクトデザイナー: Ya-Ching Yu
画像クレジット: Image #1-5 photographer : MD Photo Inc.
プロジェクトチームのメンバー: Chief Designer : Ya-Ching Yu
Designer : Wen-Han Chuang
プロジェクト名: Symphonic Movement
プロジェクトのクライアント: Ya-Ching Yu