感染症予防の新たな道:Czero

顔に手を触れる習慣を断つ革新的なウェアラブルデバイス

新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの感染拡大を防ぐための新しいアプローチとして、デザイナーのSophia Neillが開発したウェアラブルデバイス「Czero」を紹介します。このデバイスは、手が顔に近づくと振動し、感染症の伝播を抑制することを目指しています。

感染症の拡大は、ワクチンや治療法がない状況では大きな脅威となります。手洗いの推奨が続けられていますが、感染症の80%は顔に触れることで広がると言われています。Czeroは、特に旅行者を対象とした予防ツールで、海外での感染拡大を抑え、大流行を地域的な流行に抑えることを目指しています。

Czeroは、手が顔に近づくと振動するウェアラブルデバイスで、感染症の伝播を大幅に抑えることができます。リング型のデバイスは、ユーザーの健康状態を追跡し、手洗いを促すアプリと連携しています。これにより、感染症の予防だけでなく、ユーザーの健康管理にも寄与します。

リング内部には送信機、受信機、振動器、光電脈波センサー(PPG)、負温度係数(NTC)センサー、Arduino、バッテリーが搭載されています。イヤリングやペンダントはリングと無線で情報をやり取りし、リングとイヤリングやペンダントが近づくとリングの振動器が作動します。PPGセンサーは皮膚下の血流を追跡し、NTCセンサーは体温を監視します。Arduinoと送信機はこの情報をアプリに送信します。

サイズはアクセサリーにより異なります。リングやイヤリング、ペンダントなど、旅行や日常生活で簡単に使用できるデザインが特徴です。

Czeroは既存の技術を革新的な方法で利用し、新型コロナウイルスや将来的な感染症の拡大を大幅に抑制する可能性を秘めています。このコンセプトは現在の世界的な危機に深く関連しており、革新的で実現可能なデザインへの需要を高めています。リングやアクセサリーはディスクリートで小さく、美的にも優れているため、ヘルスケア製品としては珍しい特徴を持っています。

このプロジェクトは、ニュージーランドのウェリントンビクトリア大学の3年生であるSophia Neillによって、新型コロナウイルスのロックダウン期間中に完成しました。Sophiaは、新型コロナウイルスだけでなく、抗生物質の時代が終わり、生命を脅かす感染症が治療不能となる可能性が高まるインフルエンザなど、感染症の拡大を抑えるための製品を設計することを選びました。

このデザインは、A'ウェアラブルテクノロジーデザインアワード2021でアイアン賞を受賞しました。アイアンA'デザインアワードは、プロフェッショナルで産業的な要件を満たし、業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合する、実用的で革新的な創造物に授与されます。これらの製品は、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献します。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Sophia Neill
画像クレジット: Chat Roulette, Single Friend, 2019
プロジェクトチームのメンバー: Sophia Neill
プロジェクト名: Czero
プロジェクトのクライアント: Sophia Neill


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