家族の絆を深める「U Shaped」

田中裕介が設計した、プライバシーと開放感を両立した住宅

家族がどこにいても互いの存在を感じられる家を設計するというクライアントの要望から生まれた「U Shaped」。道路に面した部分を全て壁にし、外からの視線を遮断することで、開放的な空間を実現した。

「U Shaped」は、リビングルームを家の中心に配置し、キッチン、ダイニングルーム、寝室、子供部屋をリビングルームの周りに配置することで、家族がリビングで顔を合わせることができ、家族間のコミュニケーションを促進する設計となっています。また、道路に面した部分を壁にすることで、外からの視線を遮断し、広々としたガラスの壁を設けた開放的なリビングルームを実現しました。

リビングルームは家の中心に位置しているため、室内全体に安定した照明を確保しています。また、中庭がリビングルームと一体化するように設計されており、異なる二つの空間を一つに結びつけています。外壁は木材、タイル、塗り壁などの異なる素材をバランス良く配置することで、落ち着いた雰囲気のファサードを作り出しています。

この家は、木造住宅として設計されており、PORTERS PAINTSを使用しています。土地面積は368平方メートル、建物面積は237平方メートルとなっています。

プライバシーを保ちつつ、リビングルームと中庭で快適に過ごせるようにするため、道路からどれだけ高く、どれだけ深く壁を配置すべきかを何度も検証しました。この工夫により、クライアントは家族と一緒にプライバシーを保ちつつ快適に生活することが可能となりました。

この家の設計の重要なポイントは、家族が常に互いを見ることができるレイアウトとプライバシーです。これらの解決策は、計画地を何度も訪れ、周辺地域の人々の流れや光の入り方を調査し、クライアントと何度も会話を重ねることで導き出されました。また、季節によって温度が変わる日本でも、気密性と断熱性能を向上させることで、エコロジカルなパッシブデザインを実現しています。

「U Shaped」は、2023年のA'アーキテクチャ、ビルディング、構造デザイン賞で鉄賞を受賞しました。鉄賞は、プロフェッショナルで産業要件を満たすように設計された、実用的で革新的な作品に授与されます。業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yusuke Tanaka
画像クレジット: Yusuke Tanaka
プロジェクトチームのメンバー: Yusuke Tanaka
プロジェクト名: U Shaped
プロジェクトのクライアント: Be RIS1NG Architects


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