夢を描くバー:バン・ゴッホの名作からインスピレーションを得た斬新な空間

伝統と現代が交錯する、台湾・宜蘭の地元素材を活用したリノベーション

バン・ゴッホの名画「カフェテラス」からインスピレーションを得た、デザイナー謝翔のバー「Dream On」。地元の素材とリサイクル素材を活用し、伝統と現代が交錯する斬新な空間を創り出した。

謝翔は、バン・ゴッホの名画「カフェテラス」に魅了され、その情緒を再現することを目指した。地元・宜蘭の建築材料や街並みから要素を抽出し、モダンなトランスクリエーションとして再構築。装飾窓やフレーム、バルコニーなどの要素が、夢を追い求める姿を象徴している。

このバーの設計には、地元から取得した素材の80%が使用されている。リサイクル素材を大量に再利用することで、新たな空間を創出しながらも環境への影響を最小限に抑えている。壁面の装飾窓は、過去の傷跡や痕跡を残したセカンドハンドの素材から作られ、空間に温かみと時間の深みを加えている。

設計の最大の課題は、長方形の空間での音響効果だった。空間が狭く、長いため、音波が平面で反射するのを避けるため、壁は意図的に凹凸に設計されている。これにより、狭い空間でのエコーが抑制され、会話が聞き取りやすくなっている。

全体の内部空間は72平方メートルで、幅4.2メートル、長さ15.4メートル、高さ4.3メートルから5.3メートルの角度のある屋根を持つ廊下のような空間だ。バーカウンターは高さ110cmで、側面のテーブルは故意にカウンタートップよりも5cm高く設計されている。これにより、バーが混雑した際に立ち客が利用しやすくなっている。

このプロジェクトは、2017年3月に台湾・宜蘭市で完成した。名画「カフェテラス」の再現を目指し、色彩の使用、空間構造、配置などを深く分析した。画像から要素を抽出し、パレット、フレーム、抽象的なバルコニーなどに応用した。地面の光の反射、画像のラインの感じ、席間の距離など、すべてが分解の結果であり、この「Dream On」バーを構成している。

このデザインは、2020年にA'インテリアスペース、リテール&エキシビションデザイン賞のブロンズを受賞した。アート、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的・創造的スキルを発揮し、生活の質の向上に貢献している。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Hsiang Hsieh
画像クレジット: WSH
プロジェクトチームのメンバー: Chief Designer : Hsiang Hsieh
プロジェクト名: Dream On
プロジェクトのクライアント: Hsiang Hsieh


Dream On IMG #2
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Dream On IMG #4
Dream On IMG #5
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